Tuesday, December 30, 2014

10 Best Movies Of 2014 + more



カレーついで/備忘録ついでの今年観た映画の至極個人的ベスト10本も4年目。劇場鑑賞の本数も昨年とほぼ変わらず110本ちょっとで目標の120本には届かず。しかし、去年の抱負の通り、だいぶ精度はあがって、とんでもないハズれ映画は殆どなかったのが印象的。中には「エスケープ・フロム・トゥモロー」や「トランセンデンス」みたいなのもあったけど…。

ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー
LIFE!
ゴーン・ガール
百円の恋
複製された男
そこのみにて光輝く
6才のボクが、大人になるまで。
LEGO® ムービー
ウルフ・オブ・ウォールストリート
ジャージー・ボーイズ

の10本。1~2週間前にリストアップだけは終わらせていたものの、年の瀬、というかクリスマスイヴに観に行った 「百円の恋」がまさかの飛び込みで、残念ながら漏れたのは今年唯一のコメディとしての傑作「なんちゃって家族」でした。


さて、例年になくトップ1、2がとても大衆作になったのが自分でも意外だったものの、この2本に共通するのは
・とにかく自分の好きな要素しかない
・劇場で観ることに意味がある
・劇中歌が素晴らしい
という部分でしょうか。「GoG」のサントラ≒「Awsome Mix Vol.1」に関しては、劇中同様カセットテープ版が 出たり、好事家が各々自分の思い入れたっぷりな「Awsome Mix」をプレイリスト的に作ったり、と軽くお祭り状態でしたが、そのくらいマーベル作品なのに音楽と密接な映画であり、それもある程度の年代以上の人にとっては グッとくる/擽ったくなる選曲/使われ方だったので、それも仕方なし。「LIFE!」もトム大佐でお馴染み、 デビッド・ボウイ"Space Oddity"筆頭にヒューマン・リーグなど懐メロ的な部分も良かったし、ホセ・ゴンザレスの録りおろしも良い。あと、どちらも使用場面的に素晴らしく、そこが決定打だったかもしれません。あと、双方で あのピニャコラーダの曲が使われているのも興味深い共通点。

年の瀬の飛び込み予想組として「ゴーン・ガール」は順当に上位に。内容的には上の2作よりも好みだし、ストレートな 見方も、そうじゃない見方も出来る、とてもフィンチャーらしい傑作でした。これから観ようと言う人には必ず、彼女や奥方とご一緒に!と薦めていますが、このフィンチャーらしい"デート・ムービー"を監督と主演がそれぞれ真逆の デート映画だと言っているのも面白い。残念だったのは、トレーラーで使用されていたリチャード・バトラーの"She"が (まさかコステロじゃなかったなんて…)が劇中で使用されなかったことくらい。この、近年よくあるトレーラーで使われた曲が劇中で使われない問題、上の「LIFE!」も同じくで、トレーラー使用の"Bohemian Rhapsody"が世界観として実にマッチしていたので、これもとても残念。

「ゴーン・ガール」のベスト入りはニュースが出た時点で予想していたけど、こちらは完全な予想外だった「百円の恋」。 劇中まあまあなシェアを占める100均の部分に顕著なコミカルな方面はどちらかと言えば苦手だったし、決して 全部が全部を好きだとは思わないけど、それを補って余りある安藤サクラの存在。救い様がない自堕落さ、理解を超えた可愛らしさ 息を呑むレベルのかっこよさ、その全てがある。シャドーのシーンなんて震えます。今年観た全作品の中での ベストアクトは間違いない。と、安藤サクラばかり褒めたけど、そのシャドーのシーンやラストの長回しなんかもとてもタイト。

「灼熱の魂」が面白いのにそこまでハマれなかったドゥニ・ヴィルヌーヴ監督。しかし、今年の2本「複製された男」、「プリズナーズ」はどちらも素晴らしく、その「灼熱の魂」同様、あまりにも見事な伏線回収の手腕と、回収されてもなお 残るハテナ。撮り方だけでも冷たすぎて狂気じみている、ヨ!カナダ生まれ!とついつい賑やかしたくなるジョージアの話 「プリズナーズ」も傑作だけど、蜘蛛をはじめとするメタファーを含めた伏線回収に唸った「複製された男」の方が好み。

「ウインターズ・ボーン」や「フローズン・リバー」、もしくは「サウダーヂ」のそれと同様などん詰まり映画の傑作だった 「そこのみにて光輝く」。高橋和也のまとわりつくイヤらしさ/リアルな地場で顔の効く中途半端な土建屋も 素晴らしければ、火野正平の怪演もあり。で、予想通りの池脇千鶴に、不安要素だった綾野剛の予想を裏切る良さ、そこに 加わる菅田将暉、3者3様の不器用さ。印象的だったのは女性監督故の性描写。特に双方合意じゃない場合の、あのイヤな感じ。

長くなってきたのでまとめていくと、10年周期の「ビフォア~」シリーズの新作が出た今年、こちらは12年に及ぶ撮影の末 同じくリンクレーターがやらかした「6才のボクが、大人になるまで」紛れも無く傑作だけど、3時間が3時間以上に感じる不思議な 映画。子供向けかと思いきや、もしろ全ての大人へ、というクライマックスの展開が素晴らしかった「LEGO® ムービー」。 実際のところ、全てはAwsomeじゃない。「6才の~」とは真逆で、3時間があっという間に終了するあたりもとてもドラッギーな 「ウルフ・オブ・ウォールストリート」。映画に於けるパンチラインがあるとすれば、ほぼ全編がパンチライン。あと、上で劇中歌に関して色々書きましたが、今年の劇中歌?で一番頭から離れなかったのは本作に於けるマネーチャントです。

The Wolf of Wall Street - Chest Thump REMIX [HQ]

で、最後の一本はイーストウッド爺がフォーシーズンズのドキュメンタリーを少しミュージカルの要素を踏まえて撮った 「ジャージー・ボーイズ」。最初に"December, 63"が流れるところで愕然としたものの、ラストで盛大にやってくれたので吉とします。 以上10本。

が、今年は枠外的な一本がありまして。
劇場版 テレクラキャノンボール2013

普通に一本にカウントしろよ、というところでしょうが、なんか、もう色々特別だったし、特別枠で……という、ズルいことこの上ない言い逃れをさせていただきたい。正直、いい映画観たなー!という感じにはならなかったけど、いい時間を体験したな という意味ではもしかしたら上の10本よりも満足度は高いかも。あの会場を巻き込んでの一体感は、何者にも代えがたい体験でした。それこそ、アナ雪のシンガロングなんかよりも。

次点として、上記「なんちゃって家族」と並んでギリギリまで10本に入れようか迷ったディズニー・プレゼンツのゲーム原作映画「ニード・フォー・スピード」。アーロン・ポール a.k.a. ジェシー・ピンクマン主演のカー・アクションですが、日本だと元のゲームがそこまでメジャーじゃないからか、ピンクマンじゃ弱かったか大した話題になっていないものの、実に良く出来ているし、往年のカー・アクションに対する愛も感じられて、ワイスピシリーズよりもグッときました(あれはあれで大好きですが)。今年の訃報で最も悔やまれるPSHの遺作となった「誰よりも狙われた男」。ラストの渾身のFワード、俺はあなたが他界したことが本当にFXXXです。アントワン・フークアxデンゼルの「トレーニング・デイズ」組再びでデンゼルがスーパー・ホームセンター野郎を演じる『広告に偽りあり』映画「イコライザー」。全然19秒じゃないし、クロエの添え物感といったら…。評判がいいことを知らず、愛しのブリー・ラーソン見たさで観たら思いもしない逸品だった「ショート・ターム」、残念ながら「別離」には及ばず…だったけど、相変わらず見事な伏線回収人間ドラマで唸らせてくれた「ある過去の行方」、ノーランよりも、マコよりも、誰よりもジマー御大が気張っていた「インターステラー」、紛れも無く今年観た韓国映画の中でもトップクラスだったのに、どうしてもイ・ジョンジェがそんなにダーティーなヤツには見えない(「10人の泥棒たち」の功罪)、その一点が残念だった「新しき世界」、邦画には珍しくラストのヴェルヴェット・アンダーグラウンド"Femme Fatal"使いが素晴らしく、そして小林聡美さんがどこまでも怖い「紙の月」辺りが印象に残っています。

DVDスルーや劇場見逃系は残念なことにそれほどのアタリがなく、そういう意味でも劇場鑑賞の選球眼が良かったのか?と思います。期待していた「俺たちニュースキャスター 史上最低!?の視聴率バトルinニューヨーク」や「ディス・イズ・ジ・エンド 俺たちハリウッドスターの最凶最期の日」辺りは凡作に終わり、コメディ全体で面白かったものとしては先の「なんちゃって家族」やサンドラ・ブロック効果で劇場公開されたであろう「デンジャラス・バディ」、DVDスルーだと「我が家のおバカで愛しいアニキ」くらいでしょうか。

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