Tuesday, December 30, 2014

10 Best Curry Of 2014 + more


昨年は奇跡の2回ポストを実現しましたが、今年は例年通り1回に戻りまして。今年で5年目となる年間カレーベストも(昨年一昨年その前更にその前) ここ1〜2年新規の店舗も少なくなったし、やめるやめる詐欺気味でしたが、案の定、今年は例年より20件くらい少ない50件台。たぶん、来年からは新規の店舗に限らないでやるかやめるか。そんなこんなで、取り敢えず以下10件がそれです。

印度料理シタール
TEL:043-271-0581
千葉県千葉市花見川区検見川町1-106-16
営業時間:11:30~15:00 / 15:00~22:00(L.O.21:00)定休日:無休
アジアカレーハウス
TEL:080-4963-3344
東京都墨田区江東橋3-9-24
営業時間:20:00~4:00 定休日:無休?
Spice BAR 猫六
TEL:03-6657-2286
東京都墨田区東向島2-14-2
営業時間:(火~土曜)18:00~25:00(L.O.24:00) / (日曜)11:30~15:00
定休日:月曜日
サイーファ ケバブ アンド ビリヤニ
TEL:03-3497-8104
東京都港区六本木4-11-8 フランセビル 1F
営業時間:11:30~23:0021:00 (L.O.22:30) 定休日:無休
カレーハウス 横浜ボンベイ
TEL:045-864-1133
神奈川県横浜市戸塚区戸塚町120 斉藤ビル 2F
営業時間:12:00~15:00 / 17:00~22:00(日曜のみ21:00) 定休日:月曜日
Madras Meals
TEL:044-750-0438
神奈川県川崎市中原区上丸子八幡町816 山本ビル1F
営業時間:11:30~14:30(L.O) / 17:30~22:00(L.O. 21:30) 定休日:火曜
大岩食堂
TEL:03-6913-6641
東京都杉並区西荻南3-24-1
営業時間:11:00~14:30(L.O) / 18:00~22:00(L.O) 定休日:月曜
カレーノトリコ
TEL:非公開
東京都千代田区神田須田町2-15-1
営業時間:11:00~14:00 / 18:00~21:00 定休日:日曜祝日+土曜夜
馬場南海
TEL:03-3362-1765
東京都新宿区下落合1-3-19 吉野荘 1F
営業時間:11:00~21:00 定休日:不定休
cafe room basis A
TEL:03-6407-9028
東京都渋谷区西原1-7-8 ツインパレスK・I 1F
営業時間:12:00-21:00(L.O.19:00) 定休日:不定休

去年のベストが全ていわゆる"インド料理屋"だったのが、今年はそれ以前同様、結構バラバラな感じに戻りました。理由としてはまた後に書きますが、美味しい/美味しそうなインド料理屋の乱立じゃないかと思います。上の10件は例年通り降順に近い順不同。

・カレーを"意識的に"食べ始めて10年前後経つと思うのですが、その最初期から存在は知っていたものの、実は今年初訪だった「印度料理シタール」。カレー好きに言わせれば何を今更、という感じで、地元の人に言わせれば、カレーはここが基準になっているだとか、その歴史の長さや地元密着な姿勢も有名です。駅からは近いとはいえ、遠方から何かのついでに行くような場所でもないと思うのですが、昼も夜も常に行列。その行列用のゲストハウスまである心遣い。で、自分がこれまで来訪していなかったのは、単純に場所とタイミング故の部分も大きいけど、このお店、基本的には北インド料理がメイン。北インドのカレーを食べないワケではないけど、好みとしては南より、またはカレーライスよりなので、それもこれまでわざわざ行かなかった理由。そんなこんなで、今年ようやくその地を訪れたワケですが、とにかく美味い。バターチキン以外はとてもオーソドックスなのに、驚くほど美味い。で、ここ少しだけ南インドのカレーもメニューにあって、こっちはきっと専門外なんでしょうが、これも美味い。おそらく何食っても美味い。そして、たぶん飽きない。これ、凄い。

・で、その名店中の名店に初訪した故次点となったこの「アジアカレーハウス」。本来のニューカマー的な意味ではずば抜けてると思う。錦糸町のあのドヤ街に夜の8時から朝4時までオープンするカレー屋。辺りは多種多様な人種がウロつき、常に赤色灯がどこかで回っている中で、店内カウンター5〜6席のみというロケーションも凄ければ、メニューなしの週替りのプレート?みたいなの1種類だけ。1000円ポッキリ。で、美味い。ここ、バングラデシュ料理なので、馴染みのあるものもあるけど、ないものもある。でも、総じて美味いっぽい。金曜のビリヤニ、まだ食えてないので2015年用。

・以前も書いたような気がするけど、基本的にはド直球のインド料理よりも日本米に合うインドカレーが好みとしては理想で。でも、なかなか出会いはない。そんな中、今年話題だった曳舟の「猫六」はまさにそんな数少ない日本米に合うインドカレーを豊富なビールと共に、な店。元々非カレーな店あがりの店主さんがお隣、押上の殿堂入り「スパイス・カフェ」を経ての開店なので納得。各種カレーもベースは例えばポーク・ビンダルーにしながらも、日本米に、日本人に、ビールのお供に合うように考えられてるだけあって、食べやすく、美味い。ポーク・ビンダルーなんて、普段あまりクセの強いものを食べない人だと、確実に酸っぱ過ぎるし辛過ぎると思うけど、どうでしょうか?

・今年、新橋、銀座に2店舗を新たに出店した「ケバブビリヤニ」グループの大本である六本木「サイーファ ケバブ アンド ビリヤニ」は、料理の質もさることながら、場所相応の高級感に対するランチのお得感、そこに加えて、尋常じゃなくサービスが良い。接客や清潔感もだし、サービスで出すおかずやデザート。もちろん、カレーも美味いし、常時ビリヤニが食えることも大きい。そりゃ人気出るワケです。毛色は全然違うけど「ダバインディア」グループみたいな展開になりそうな気がします。

・その他、ここ最近ちょっとゴタゴタしている界隈ですが、実はこちらも今年初訪の「横浜ボンベイ」のカシミール、新丸子商店街奥の手頃にミールスからドーサまでを食べられる「Madras Meals」や、元祖ちょうどいいミールスを食わす店、「エリック・サウス」出のオーナーが西荻の駅横のアーケードにオープンした「大岩食堂」、来るべくして来た関西風カレーの東京進出な「カレーノトリコ」、マイ・フェイバリット・カツカレーこと神保町の「キッチン南海」のそれと同クオリティのカツカレーに、更にサラダと目玉焼きを乗せて食わせてくれる「馬場南海」、代々木上原の住宅街で女性店主が営む、普段なら絶対に縁がない店が食わせるサブジてんこ盛りなミールスの「caferoom basis a」、以上の10件。

次点としては、茅ヶ崎の海岸にほど近い場所でベジ/ノンベジのミールスが食える「ちょうたら」や、武蔵小山の謎過ぎる店構えの名店「インディアン チャイ ハウス」、中目黒駅のすぐ脇にある最高のスリランカプレートを食わせる「セイロン・イン」、飛び道具的な変わり種カレーだらけの家庭/欧風カレーなのに、カレー自体が懐かしさと良さをの賜物だった「カレーや うえの」、先の「エリック・サウス」が渋谷駅直結のフードショーにオープンしたこれまたちょうどいい、まさかのビリヤニのテイクアウト「ERICK curry & Biriyani」、味家なき後の池袋はネパールじゃなくパキスタンで、な「マルハバ」辺りが印象的でした。

先に書いたように、ここ1〜2年で日本人の方がちゃんとしたインド料理を食わせる店が増えていて、各メディアやカレー好きが足を伸ばした逗子の「Spice Tree」や水曜のランチ限定にも関わらず、ご近所勤務を中心に賑わった「仮)BLOCK HOUSE 水曜カレー」辺りを中心に面白い店が増えてきましたが、そうなってくるとやはりみんながみんな美味いワケでもなくて、店舗/料理の見栄えがよかったり、面白いものが食えるというバリューで話題になりつつも、肝心の味は?という店も増えてきたと思っていて、 その辺も踏まえてのレビューをメディアの方にはお願いしたいな、と他人任せな感じで2015年もよろしくお願いします。

10 Best Movies Of 2014 + more



カレーついで/備忘録ついでの今年観た映画の至極個人的ベスト10本も4年目。劇場鑑賞の本数も昨年とほぼ変わらず110本ちょっとで目標の120本には届かず。しかし、去年の抱負の通り、だいぶ精度はあがって、とんでもないハズれ映画は殆どなかったのが印象的。中には「エスケープ・フロム・トゥモロー」や「トランセンデンス」みたいなのもあったけど…。

ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー
LIFE!
ゴーン・ガール
百円の恋
複製された男
そこのみにて光輝く
6才のボクが、大人になるまで。
LEGO® ムービー
ウルフ・オブ・ウォールストリート
ジャージー・ボーイズ

の10本。1~2週間前にリストアップだけは終わらせていたものの、年の瀬、というかクリスマスイヴに観に行った 「百円の恋」がまさかの飛び込みで、残念ながら漏れたのは今年唯一のコメディとしての傑作「なんちゃって家族」でした。


さて、例年になくトップ1、2がとても大衆作になったのが自分でも意外だったものの、この2本に共通するのは
・とにかく自分の好きな要素しかない
・劇場で観ることに意味がある
・劇中歌が素晴らしい
という部分でしょうか。「GoG」のサントラ≒「Awsome Mix Vol.1」に関しては、劇中同様カセットテープ版が 出たり、好事家が各々自分の思い入れたっぷりな「Awsome Mix」をプレイリスト的に作ったり、と軽くお祭り状態でしたが、そのくらいマーベル作品なのに音楽と密接な映画であり、それもある程度の年代以上の人にとっては グッとくる/擽ったくなる選曲/使われ方だったので、それも仕方なし。「LIFE!」もトム大佐でお馴染み、 デビッド・ボウイ"Space Oddity"筆頭にヒューマン・リーグなど懐メロ的な部分も良かったし、ホセ・ゴンザレスの録りおろしも良い。あと、どちらも使用場面的に素晴らしく、そこが決定打だったかもしれません。あと、双方で あのピニャコラーダの曲が使われているのも興味深い共通点。

年の瀬の飛び込み予想組として「ゴーン・ガール」は順当に上位に。内容的には上の2作よりも好みだし、ストレートな 見方も、そうじゃない見方も出来る、とてもフィンチャーらしい傑作でした。これから観ようと言う人には必ず、彼女や奥方とご一緒に!と薦めていますが、このフィンチャーらしい"デート・ムービー"を監督と主演がそれぞれ真逆の デート映画だと言っているのも面白い。残念だったのは、トレーラーで使用されていたリチャード・バトラーの"She"が (まさかコステロじゃなかったなんて…)が劇中で使用されなかったことくらい。この、近年よくあるトレーラーで使われた曲が劇中で使われない問題、上の「LIFE!」も同じくで、トレーラー使用の"Bohemian Rhapsody"が世界観として実にマッチしていたので、これもとても残念。

「ゴーン・ガール」のベスト入りはニュースが出た時点で予想していたけど、こちらは完全な予想外だった「百円の恋」。 劇中まあまあなシェアを占める100均の部分に顕著なコミカルな方面はどちらかと言えば苦手だったし、決して 全部が全部を好きだとは思わないけど、それを補って余りある安藤サクラの存在。救い様がない自堕落さ、理解を超えた可愛らしさ 息を呑むレベルのかっこよさ、その全てがある。シャドーのシーンなんて震えます。今年観た全作品の中での ベストアクトは間違いない。と、安藤サクラばかり褒めたけど、そのシャドーのシーンやラストの長回しなんかもとてもタイト。

「灼熱の魂」が面白いのにそこまでハマれなかったドゥニ・ヴィルヌーヴ監督。しかし、今年の2本「複製された男」、「プリズナーズ」はどちらも素晴らしく、その「灼熱の魂」同様、あまりにも見事な伏線回収の手腕と、回収されてもなお 残るハテナ。撮り方だけでも冷たすぎて狂気じみている、ヨ!カナダ生まれ!とついつい賑やかしたくなるジョージアの話 「プリズナーズ」も傑作だけど、蜘蛛をはじめとするメタファーを含めた伏線回収に唸った「複製された男」の方が好み。

「ウインターズ・ボーン」や「フローズン・リバー」、もしくは「サウダーヂ」のそれと同様などん詰まり映画の傑作だった 「そこのみにて光輝く」。高橋和也のまとわりつくイヤらしさ/リアルな地場で顔の効く中途半端な土建屋も 素晴らしければ、火野正平の怪演もあり。で、予想通りの池脇千鶴に、不安要素だった綾野剛の予想を裏切る良さ、そこに 加わる菅田将暉、3者3様の不器用さ。印象的だったのは女性監督故の性描写。特に双方合意じゃない場合の、あのイヤな感じ。

長くなってきたのでまとめていくと、10年周期の「ビフォア~」シリーズの新作が出た今年、こちらは12年に及ぶ撮影の末 同じくリンクレーターがやらかした「6才のボクが、大人になるまで」紛れも無く傑作だけど、3時間が3時間以上に感じる不思議な 映画。子供向けかと思いきや、もしろ全ての大人へ、というクライマックスの展開が素晴らしかった「LEGO® ムービー」。 実際のところ、全てはAwsomeじゃない。「6才の~」とは真逆で、3時間があっという間に終了するあたりもとてもドラッギーな 「ウルフ・オブ・ウォールストリート」。映画に於けるパンチラインがあるとすれば、ほぼ全編がパンチライン。あと、上で劇中歌に関して色々書きましたが、今年の劇中歌?で一番頭から離れなかったのは本作に於けるマネーチャントです。

The Wolf of Wall Street - Chest Thump REMIX [HQ]

で、最後の一本はイーストウッド爺がフォーシーズンズのドキュメンタリーを少しミュージカルの要素を踏まえて撮った 「ジャージー・ボーイズ」。最初に"December, 63"が流れるところで愕然としたものの、ラストで盛大にやってくれたので吉とします。 以上10本。

が、今年は枠外的な一本がありまして。
劇場版 テレクラキャノンボール2013

普通に一本にカウントしろよ、というところでしょうが、なんか、もう色々特別だったし、特別枠で……という、ズルいことこの上ない言い逃れをさせていただきたい。正直、いい映画観たなー!という感じにはならなかったけど、いい時間を体験したな という意味ではもしかしたら上の10本よりも満足度は高いかも。あの会場を巻き込んでの一体感は、何者にも代えがたい体験でした。それこそ、アナ雪のシンガロングなんかよりも。

次点として、上記「なんちゃって家族」と並んでギリギリまで10本に入れようか迷ったディズニー・プレゼンツのゲーム原作映画「ニード・フォー・スピード」。アーロン・ポール a.k.a. ジェシー・ピンクマン主演のカー・アクションですが、日本だと元のゲームがそこまでメジャーじゃないからか、ピンクマンじゃ弱かったか大した話題になっていないものの、実に良く出来ているし、往年のカー・アクションに対する愛も感じられて、ワイスピシリーズよりもグッときました(あれはあれで大好きですが)。今年の訃報で最も悔やまれるPSHの遺作となった「誰よりも狙われた男」。ラストの渾身のFワード、俺はあなたが他界したことが本当にFXXXです。アントワン・フークアxデンゼルの「トレーニング・デイズ」組再びでデンゼルがスーパー・ホームセンター野郎を演じる『広告に偽りあり』映画「イコライザー」。全然19秒じゃないし、クロエの添え物感といったら…。評判がいいことを知らず、愛しのブリー・ラーソン見たさで観たら思いもしない逸品だった「ショート・ターム」、残念ながら「別離」には及ばず…だったけど、相変わらず見事な伏線回収人間ドラマで唸らせてくれた「ある過去の行方」、ノーランよりも、マコよりも、誰よりもジマー御大が気張っていた「インターステラー」、紛れも無く今年観た韓国映画の中でもトップクラスだったのに、どうしてもイ・ジョンジェがそんなにダーティーなヤツには見えない(「10人の泥棒たち」の功罪)、その一点が残念だった「新しき世界」、邦画には珍しくラストのヴェルヴェット・アンダーグラウンド"Femme Fatal"使いが素晴らしく、そして小林聡美さんがどこまでも怖い「紙の月」辺りが印象に残っています。

DVDスルーや劇場見逃系は残念なことにそれほどのアタリがなく、そういう意味でも劇場鑑賞の選球眼が良かったのか?と思います。期待していた「俺たちニュースキャスター 史上最低!?の視聴率バトルinニューヨーク」や「ディス・イズ・ジ・エンド 俺たちハリウッドスターの最凶最期の日」辺りは凡作に終わり、コメディ全体で面白かったものとしては先の「なんちゃって家族」やサンドラ・ブロック効果で劇場公開されたであろう「デンジャラス・バディ」、DVDスルーだと「我が家のおバカで愛しいアニキ」くらいでしょうか。